かの魯山人が「夏日小味(昭和6年)」の中に書いている『錦木』。 京都の花柳界でお泊まり客に、朝「ままおあがりやすか」とチャチャっと手ごねで作って出したと言う色っぽい品。
魯山人先生曰く「上等のかつおぶしをせいぜい薄く削り良い山葵と食す」と。
「錦木」のネーミングはかつお節の片々が錦木のヘラヘラに似ている事が由来だそうです。
何を言ってるのか良くわかりません。
魯山人先生、片々とかヘラヘラとかまるで現代のJCみたいなボキャです。
さて何よりも、そこでどうだい「丸眞半生サラダ節」!「いょ、待ってました」。
これを使って作らない訳にはいきません。炊き立ての熱々ご飯に、酒の肴に、素麺の薬味にも。
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<材料>
・丸眞半生サラダ節 10g・大葉 10枚
・茗荷 1本
・焼き海苔 1/2枚
・醤油 適宜
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<作り方>
1)丸眞半生サラダ節を削る2)大葉は巻いて細く切り、キッチンペーパー等で包み流水で軽く揉む
3)茗荷は縦半分に切り細切にする
4)焼き海苔は細かくちぎる
5)醤油以外の材料をボウルに入れ、手でよく混ぜる
6)仕上げに醤油を少量たらし味を整える
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材料です。このままそれぞれ小鉢に取って、お好みで混ぜても良いですね。
丸眞半生サラダ節。
「錦木」の決め手はかつお節、今回の主役です。
これが美味しく無ければ、錦木にはなりません。
山葵は準主役、魯山人先生も手で口を塞ぐほどの辛さが美味いとの事。
脇を固める助演者たち 大葉に茗荷に焼き海苔。
材料を全て混ぜて、水分を馴染ませると出来上がり。
炊き立てのご飯と共に。
お酒のつまみに、麺の薬味にも。夏の食卓に重宝する優れ物。
著者紹介
蕎麦料理研究家 永山塾主宰
永山 寛康
<プロフィール>
1957年(昭和32年)生まれ。
21歳でそば打ちの世界に入る。名人と名高い片倉康雄・英晴父子に師事し、そば打ちの基本を学ぶ。『西神田 一茶庵』『日本橋三越 一茶庵』に従事した後、『立川 一茶庵』で店長を務める。その後、手打ちそば教室の主任講師などを努め、2004年より「永山塾」を開塾。長年研鑚を積んだそば技術やそば料理の技術を多くの人に教える。
感情豊かなそば打ちやそば料理の指導に、プロアマ問わずファンは多い。近年はそば関連企業と連携して、開業希望者やそば店等への技術指導にも活躍中。