『つまみ揚げ風海老天』レシピ

天ぷらは食べたい、けれど準備も後始末も腰が重い──そんなときのための少量油・小鍋天ぷらです。

大きな揚げ鍋や大量の油は使わず、小さな鍋に必要最小限の油だけ。これなら取りかかるハードルも、揚げ終わった後の処理もぐっと軽くなります。ただし油が少ないと、衣のが咲きにくいのが難点。そこで衣や揚げ方にひと工夫を加え、少量油でも天ぷららしい表情に仕上げます。

手軽さと見た目、どちらも諦めない――そんな天ぷらの作り方です。
気軽に揚げて、さっと片づけ。天ぷらとの距離が、少し近くなります。

江戸の頃から戦前にかけて、そば屋の天ぷらといえば、
江戸前で揚がった芝海老が主役でした。
小ぶりな海老を数尾つまみ、身を寄せ合うように並べて、
筏に見立てて油へ――

やがて冷凍技術と流通が進み、
立派な海老の一本揚げが当たり前になりました。
それはそれで、晴れやかで頼もしい。

けれど、ときには思い浮かべてみるのも悪くありません。
海老が肩を寄せ合って香ばしく揚がる、
素朴で、少し控えめな贅沢を。

今回は一本勝負をやめて、数で勝負――ではなく、
記憶で味わう天ぷらを、ひとつ。

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<材料>

3個分
・海老 サイズ26・30        12尾
・てんぷら粉            50g                                     
・水                   75g 
・揚げ油              鍋底から2cmの深さ
丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>40ml      1袋 水または出汁60mlまたは200mlで割る
・薬味・青味等           適宜                          
・そば又はうどん          
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<作り方>

1)皮を取った海老の尾先と尖ったケンを切り背わたをとり腹側に3箇所切り込みを入れる
2)指で軽く抑えながら身を伸ばしてから少量の水を加えた片栗粉で軽くもみ汚れを落とす
3)3の海老を水洗いしてキッチンペーパーで水気をとる
4)海老を並べて尾に近い部分と身の部分に爪楊枝を挿す
5)てんぷら粉の割合表示を参照に揚げ衣を用意する
6)  衣の花用にに5をディスペンサーに40ml入れ水10mlを加えてよく振っておく
7)揚げ油を鍋底から2cmまで入れ180℃に油温にする
8)海老にした衣を施し揚げ衣をつけて揚げ鍋に入れ6を振りかける
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今回使う海老は、サイズ2530。身の長さは尾の先まで10cm前後の小さな海老です。海老は尾に近い節だけを残して皮をむき、尾の先と尖ったケンは形よく切ります。

背わたを爪楊枝で引っ掛けるようにして除きます。

腹側にあるスジを切るために、三ヶ所浅く切り込みを入れます。

裏返して、指でそっとまな板に押しつけるように身を延ばしていきます。

片栗粉(材料外)に水を少量加えて海老をそっともんで汚れを取ります。身にもプリプリ感が出ます。水で片栗粉を洗い流してから、キッチンペーパー等で海老の水気を取ります。

尾に近い皮をつけたたままの部分に、爪楊枝を刺します。皮が硬そうですが、海老が小さいので皮が柔らかく、思いのほか簡単に挿せます。これは2本挿したところです。

4本挿し終えたところです。この時に、尾と尾の間を広げると四角い形の海老天に仕上がります。昔の海老天は、四角いつまみ揚げだったそうです。

揚げた時に広がらないように、爪楊枝を身の真ん中にもう一本挿します。

この鍋は直径18cm。鍋底から2cmの油を入れました。手軽に小さな鍋に少ない油で、少量の天ぷらを揚げます。

市販のてんぷら粉を使います。今回使ったてんぷら粉は、粉1に水1.5の割合です。

天ぷらに花を咲かせるために、溶いたてんぷら粉をディスペンサーに入れ、少量の水を加えて薄くします。少し加減が難しいのですが、溶いたてんぷら粉の1/4の水が目安です。濃いと衣がボテッとしてしまいます。薄すぎると散ってしまいます。180℃の油に少量をたらしてみて、衣がサァーと散る感覚です。水を加えたり、溶いたてんぷら粉を足したり、加減の調節は簡単にできますから、海老を揚げる前に試しておくとよいでしょう。

180℃の油温を確認したら、火は極弱くします。衣液に海老をくぐらせて、鍋に入れます。油の量が少ないので、海老がすぐに浮いてきます。

海老が浮いてきたところに、ディスペンサーに入れた衣液を絞りかけてそのまま揚げます。

細かい衣の花が咲きました。

丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>は、天ぷらの天つゆにも、冷たいそばの天せいろや温かいそばの天そば等、薄め方でさまざまに使えます。

小さいサイズの海老でも、食べ応えがあります。

天せいろです。

天そばです。

 

著者紹介

蕎麦料理研究家 永山塾主宰
永山 寛康

<プロフィール>
1957年(昭和32年)生まれ。
21歳でそば打ちの世界に入る。名人と名高い片倉康雄・英晴父子に師事し、そば打ちの基本を学ぶ。『西神田 一茶庵』『日本橋三越 一茶庵』に従事した後、『立川 一茶庵』で店長を務める。その後、手打ちそば教室の主任講師などを努め、2004年より「永山塾」を開塾。長年研鑚を積んだそば技術やそば料理の技術を多くの人に教える。

感情豊かなそば打ちやそば料理の指導に、プロアマ問わずファンは多い。近年はそば関連企業と連携して、開業希望者やそば店等への技術指導にも活躍中。

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