『月見そば』レシピ/上手に出来ると何か嬉しいシンプルな一品

お馴染みの「月見そば」は明治以降に出てきたそばとされています。月見は秋の行事。それに合わせてレシピに登場させようと思いつつ、秋を待って居りました。ところが昨年は、夏からいきなり冬になってしまい出番をしくじった月見そば。遅ればせながら、冬に登場と相成りました。

姨捨山伝説に関わる『田毎の月』。田んぼに映った月は人の哀しみ。そばに敷かれた海苔は田を表すとの事。また別に、『月に叢雲(むらくも)黒板塀に見越しの松』と、海苔は黒板塀で見越しの松は青味か青柚子と粋な解釈も。何れにせよ、現代には身近な食材の卵を使ったシンプルなそば。ただ、そばに卵を割り落とすだけの月見そばではつまら無い。ほんの一手間かけて作って見ませんか。そして、この一手間の作業が、緊張と達成感を味わせてくれる楽しめる一品です。

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<材料>

1人前
・全卵               1個
丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>    1袋(40ml)
・水または出汁           250ml

・そば               1人前
・青味(ほうれん草)、吸い口(柚子)適宜
・焼き海苔             全形海苔1/4枚

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<作り方>

1)丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>1袋(40ml)を水または出汁250mlで割る
2)そばを茹でて温めて器に入れる
3)2のそばの中央を少し凹ませて海苔を敷き卵を割り入れる
4)鍋に1のつゆを入れ強火で沸かす
5)4のつゆが沸いてきたらレードル等で卵の黄身の上からつゆを注ぐ
6)つゆを沸かしながら4を繰り返す
7)青味・吸い口を飾って出来上がり

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材料です。

茹でて温めたそばを器に盛り、そばの中央を少し凹ませて海苔を敷きます。

別の器に卵を割っておき、海苔の上にそっと乗せます。

強火で沸かしたつゆをレードル等ですくいます。

素早く卵の黄身の上に注ぎます。卵にまくが貼るように。素早く、されど慌てず!つゆをぶっかけるとまくが破れてしまいます。

白身が少し白く成り出します。

鍋のつゆは沸かしたまま、再びつゆをすくいます。もたもたしてはいけません!

同じように黄身の上からつゆを注ぎます。白身の変化が弱いのを気にして、つゆを白身にかけると白身が破れてつゆが濁ってしまいます。気にせず黄身だけにかける様にします。これがポイント。

青味(ほうれん草)と吸い口(黄柚子)を飾って出来上がり。吸い口は秋ならば、名残の青柚子です。

仕上がりはこんな感じです。

簡単に作れるけれど、ちょっとスリルも楽しめる。上手に出来ると何だかすごく嬉しくなる不思議な感じ。作る事を是非とも、楽しんで下さい。

 

 著者紹介

蕎麦料理研究家 永山塾主宰
永山 寛康

<プロフィール>
1957年(昭和32年)生まれ。
21歳でそば打ちの世界に入る。名人と名高い片倉康雄・英晴父子に師事し、そば打ちの基本を学ぶ。『西神田 一茶庵』『日本橋三越 一茶庵』に従事した後、『立川 一茶庵』で店長を務める。その後、手打ちそば教室の主任講師などを努め、2004年より「永山塾」を開塾。長年研鑚を積んだそば技術やそば料理の技術を多くの人に教える。

感情豊かなそば打ちやそば料理の指導に、プロアマ問わずファンは多い。近年はそば関連企業と連携して、開業希望者やそば店等への技術指導にも活躍中。

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