『そば米焼き味噌』の作り方/総天然色ワイド版


総天然色 カラーワイド版『そば米焼き味噌』の作り方。

材料から行きましょう。
そば米です。そばの実を茹でて殻を取り除いて乾燥させた物。
一般に馴染みはありませんけれど、そば料理には欠かせない材料です。「そば米」は、そばこめ・そばまい・むきそばと地方により様々な呼称があります。
最近はネットでも買えますから、一昔前の様に手に入らないという訳ではありませんし、少量で売られてます。ただ、この「そば米」と良く混同されるのがそば粉に挽く前の粒状の「そばの実」があります。そば殻を除いたそばの実で抜き・抜き実と言います。加工品の「そば米」とそのままの「そばの実」。この二つは似ていますが、使う用途が異なりますので気を付けて下さい。

小鍋に少量の油を用意して 185〜190°Cの揚げ物をする時より高めの油温で少しずつ揚げます。油温が低いとそば米がプクッと膨らみませんから食感の良い「揚げそば米」を作る時のここがポイント。

油に落としたら直ぐに爆ぜる油温を保ちながら、小網ですくい上げては次を入れてを繰り返します。一度にたくさん入れると、吹きこぼれて危険です。
揚げたそば米は保存が効きますから密閉容器に入れておくと良いでしょう。

その次は白粒味噌。普通の白味噌より米麹を多く入れて仕込んだ甘い味噌です。
そば米と同じ様に中々入手し難い商品でしたが、今はネットで購入出来ます。 ただし、量が多いので先ずはお試しで作りたい場合、スーパーで売っている普通の白味噌と塩麹を混ぜ合わせれば、手軽で安上がりに似た風味になります。こちらはお勧めです。

長ネギは十文字に切り込みを入れてから

小口切りにします。

ロースト胡桃はざっくりと切ります。
細かく切り過ぎると胡桃の食感と存在感が無くなってしまいます。

柚子を入れます。春には蕗のとう・初夏には茗荷・夏には青柚子等、旬の物を
刻んで入れると季節の訪れを感じさせてくれます。

皮を剥いてさらに細かく刻みます

お馴染みの花かつお。

材料が揃いました。分量はお好みで加減してください。
すべての材料が揃わなければ、作れない訳ではありません。
気楽に気軽に作りましょう。


揚げたそば米以外の材料を混ぜ合わせます。
ここまでは先に作っておけます。

混ぜ合わせた材料に、焼く分だけの揚げたそば米を加えてざっくり混ぜます。
揚げたそば米を最後に入れるのは、そば米が水分を吸って湿らないようにする為です。

しゃもじに付ける場合は、ゴルフボールくらいの大きさがちょうど良いです。

しゃもじの手前に置いて・・

手のひらで一気に平らに伸ばします

形を整えて包丁で鹿の子模様に切れ目を入れます

最初は遠火、次第に火に近づけて焼き目を付けます。これで出来上がり。

こちらは、味噌に酒を加えて、柔らかくして石焼にした物。
しゃもじで焼くよりも、暖かいまま食べられます。
具材も様々に入れることが出来ますよ。
 
そばの薬味でも使います。汁に溶いて味の変化が楽しめます。

ぶっかけそばに一本添えて。

この『焼き味噌』、結構ファンがいらして自分で作って家で食べたいとのリクエストを多数頂いておりました。 ただ、これをレシピとして掲載するのは、あまりに単純すぎるので気が引ける。 それでコラムとして出す事にしました。
元々、この焼き味噌はお酒のご注文時に無料で添える「お通し」であり、「薬味」として供されていた物で、現在の様に品書きに載る物ではありませんでした。「しゃもじに付いた飯を食べる男は出世しない」と昔の人の言い伝えがあるそうです。けれど、しゃもじに付いたこの味噌は今では「そば前の一品」として、しっかり出世なさったという事であります。めでたしめでたし。

著者紹介

蕎麦料理研究家 永山塾主宰
永山 寛康

<プロフィール>
1957年(昭和32年)生まれ。
21歳でそば打ちの世界に入る。名人と名高い片倉康雄・英晴父子に師事し、そば打ちの基本を学ぶ。『西神田 一茶庵』『日本橋三越 一茶庵』に従事した後、『立川 一茶庵』で店長を務める。その後、手打ちそば教室の主任講師などを努め、2004年より「永山塾」を開塾。長年研鑚を積んだそば技術やそば料理の技術を多くの人に教える。

感情豊かなそば打ちやそば料理の指導に、プロアマ問わずファンは多い。近年はそば関連企業と連携して、開業希望者やそば店等への技術指導にも活躍中。

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