『そばの茹で方』半生そばのレシピ



講習会の手伝いをしてくれているそば店のベテランご主人が
「美味しい半生そばがあるから、来月持ってくるので楽しみに待っていて」
「下手な生そばより美味しいから」と言われ、1ヶ月間楽しみにして居りました。
1ヶ月経ち、待ちに待った頂いた半生そばにびっくりしました。
美味しかったからかって?いや、美味しいは美味しかったけれど、
何よりびっくりしたのは、いつも私が食べているのと同じそばだったから!

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<材料>

・半生そば(一人前)
丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>(1袋) 40mlを60mlの水又は出汁で割る
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頂いたそばがこれです。



半生そばは、脱酸剤が同封されているので、間違って一緒に茹でてしまわない様に忘れずに取り除きましょう。



半生そばは、生麺の風味を生かしつつ、生麺より日持ちがする様に、水分を加工調整したり蒸気殺菌などを施したりして、常温保存を可能にしています。匂いを嗅いでみると若干の食用アルコール臭がしますが、茹でると飛んでしまいます。 商品によって異なりますが、賞味期限が常温保存で2〜3ヶ月の物が多いです。 このそばは、茹で前で一人前110g。生麺だと150gが多いのでボリューム感が少ない感じがしますけれど、いざ茹でてみるとどうしてどうして、生麺より量感があります。



汁はあらかじめ作っておけば、茹でたてのそばが食べられます。
丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>(1袋) 40mlを60mlの水又は出汁で割り、冷やしておきましょう。



さて、今回のポイントは「茹で」です。
そばを美味しくするもしないも、茹でで決まり。
一人前あたり1リットルの水をよく沸かします。



鍋にそばを入れます。



さっと入れて、箸で軽くほぐします。半生そばは乾麺ほど丈夫ではありませんけれど、生麺より丈夫ですから気は楽です。
このそばの指定茹で時間は『3分』です。ここから『2分40秒』を目安に茹でます。



いったん沸騰が弱くなります。鍋に棒を乗せて火力は強火のままで。



再び沸き上がってきたら、少し火力を落とします。
棒がある事で、いきなり吹きこぼれませんから、慌てずに火力調節が出来ます。



なるべく沸き返った状態で茹でていきます。
吹きこぼれは、棒が抑え込んでくれます。



2分40秒で火を落として、流しに鍋ごと持っていきそばをザルにあけます。



すぐさま、鍋の熱を流水で一気に冷まします。



冷めた鍋に水を張りながら、そばをザルから移して、先ずはそばの粗熱を冷まします。
ここまでがおよそ『3分』です。



水を鍋に溜めながら、そばの滑りを洗い流します。これを3回繰り返します。



氷を入れた冷水でそばを締めます。



ザルを引き上げて、そばの水が自然に切れかかる頃合いを見計らって器に盛りましょう。
シンプルに海苔かけそばにしました。



食味食感は、生そばとほとんど変わりません。透明感もあり、角も立っています。



生そばの風味とみずみずしさと乾麺の手軽さを持ち合わせた半生そば。
上手にきちっと茹でると、なかなかのものです。
汁が美味しいから、お店の味も顔負けです。

著者紹介

蕎麦料理研究家 永山塾主宰
永山 寛康

<プロフィール>
1957年(昭和32年)生まれ。
21歳でそば打ちの世界に入る。名人と名高い片倉康雄・英晴父子に師事し、そば打ちの基本を学ぶ。『西神田 一茶庵』『日本橋三越 一茶庵』に従事した後、『立川 一茶庵』で店長を務める。その後、手打ちそば教室の主任講師などを努め、2004年より「永山塾」を開塾。長年研鑚を積んだそば技術やそば料理の技術を多くの人に教える。

感情豊かなそば打ちやそば料理の指導に、プロアマ問わずファンは多い。近年はそば関連企業と連携して、開業希望者やそば店等への技術指導にも活躍中。

丸眞のそばつゆはこちら


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