『鴨ロースの筑前煮』レシピ

福岡の郷土料理として親しまれてきた筑前煮を、鶏肉ではなく鴨ロースで仕立てます。牛蒡、蓮根、人参、椎茸、蒟蒻といった材料を、ひとつひとつ丁寧に下ごしらえし、旨みを含ませながらじっくりと煮含めていく。そこへ加わるのが、しっとりと火を入れた鴨ロースです。

鶏肉にはない、鴨ならではの濃い滋味と、噛むほどに広がる深いコク。脂の甘みが煮汁に溶け込み、素朴な根菜の味わいに奥行きを与えてくれます。蓮根の歯切れ、牛蒡の香り、蒟蒻の素朴な食感、それぞれが鴨の力強さを受け止めて、ひと皿の中で豊かな調和を生みます。

甘辛く炊き上げた煮物は、湯気の立つ白いご飯に実によく合い、箸が自然と進みます。一方で、少し冷まして味がなじむと、今度は酒の肴としても実に頼もしい存在になります。熱燗を寄り添わせれば、つい盃ももう一つ。筑前煮という家庭の味に、鴨の少しだけよそゆきな風味を持たせた、そんな一品です。

ーーーーーーーーーーーーーーー

<材料>

二〜三人前
・鴨ロース(胸肉)     250g
・牛蒡                                  1/2本    
・人参(中)              1本
・蓮根                              50g
・椎茸(小)             4個
・筍(水煮 )          50g
里芋(冷凍品)           5個                       
・こんにゃく(中)             1枚
・絹さや          適宜                         
・酒(鴨肉あおり用)           適宜
丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>40mlを2袋水または出汁400mlで割る            ・砂糖                                      大匙1
・味醂                           大匙1
・しょうゆ                              少々

ーーーーーーーーーーーーーーー

<作り方>

1)鴨肉は少し凍らせてから肉を一口大に切り温めた酒で表面を霜降りにする
2)人参・蓮根・蒟蒻・椎茸・水煮筍は食べやすい大きさに切る

3)牛蒡は一口大に切って水にさらしてアクを抜いてから水気を切る
4)冷凍里芋と絹さやはそれぞれ茹でておく
5)鍋に油を熱し肉を炒め火が通ったら牛蒡、蒟蒻を炒める
6)絹さや以外の材料を加え炒める
7)6に温めたそばつゆを加え砂糖・味醂・醤油を加え落とし蓋をして10〜15分煮る
8)器に盛り付けて絹さやを飾る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鴨ロース肉は少し冷凍庫で凍らせてから切ります。

少し沸かせた少量の酒で、肉の表面の色が変わるまで火を(あおる)入れます。

酒であおる事で、肉のクセとアクを取ります。

牛蒡は水にさらしてから、水気を切っておきます。

具材は食べ易い大きさに切ります。冷凍の里芋は茹でておきます。

少量の油をひき、鴨肉を炒めます。

鴨肉の色が変わったら、牛蒡と蒟蒻を加えて炒めます。

絹さや以外の具材を油を廻すように炒めます。蓮根は半分まで煮てから最後に加えると歯応えが良く仕上がります。今回は、一緒に炒めました。

丸眞そばつゆ<濃縮タイプ>40mlを2袋水または出汁400mlで割ったつゆを温めておき、全体に火が通ったら注ぎ入れます。砂糖・味醂・醤油を加え味を引き締めます。

キッチンペーパー等の真ん中を丸く切り抜いて、落とし蓋の代わりにします。最初は中火で、煮立ったら弱火にして10〜15分間、様子を見ながら煮て行きます。

盛り付けて、絹さやを飾って完成です。

 

鴨肉は見た目の印象よりも意外にやわらかく、口にするとしっとりとした食感が楽しめます。鶏肉に比べて味わいはぐっと濃く、しっかりとした旨みと脂の甘みがあり、その深いコクが根菜の素朴な風味によく馴染みます。一口食べるごとに、その力強い味わいがあとを引き、気がつけば箸が止まらなくなる、そんなクセになる美味しさがあります。

手間がかかりそうに見えて、実は作り方は意外と素直で、思うほど難しくありません。材料を丁寧に下ごしらえし、順に煮含めていくだけで、食卓にはしっかりとした存在感のある一皿が並びます。普段のおかずとしてはもちろん、少しだけ特別な日の酒肴としても映える、きちんと「作った」と感じてもらえる料理らしい料理です。



著者紹介

蕎麦料理研究家 永山塾主宰
永山 寛康

<プロフィール>
1957年(昭和32年)生まれ。
21歳でそば打ちの世界に入る。名人と名高い片倉康雄・英晴父子に師事し、そば打ちの基本を学ぶ。『西神田 一茶庵』『日本橋三越 一茶庵』に従事した後、『立川 一茶庵』で店長を務める。その後、手打ちそば教室の主任講師などを努め、2004年より「永山塾」を開塾。長年研鑚を積んだそば技術やそば料理の技術を多くの人に教える。

感情豊かなそば打ちやそば料理の指導に、プロアマ問わずファンは多い。近年はそば関連企業と連携して、開業希望者やそば店等への技術指導にも活躍中。

丸眞のそばつゆはこちら


記事一覧に戻る